パレット輸送の基礎知識|種類と特徴の解説

物流管理製造業課題・改善

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荷物の輸送方法の1つに、パレット輸送があります。

パレットという平らな土台の上に多くの荷物を載せて運ぶので、物流拠点での荷物管理や、輸送の効率化に役立っている存在です。

この記事では、パレットの種類や利用メリットなど、パレット輸送に関する基礎知識を解説します。

パレット輸送の基礎知識|種類と特徴の解説

パレット輸送の特徴

パレット輸送に使われるパレットは、輸送業界の画期的な発明品といえます。

その偉大さは「パレットがなかったら」と想像すると容易に理解できます。
たとえば、20kgの小麦粉が入った袋が20袋あったとします。これを倉庫内からトラックに運ぶとき、パレットがなく1袋ずつ運ぶとしたら20回運ばなければなりません。パレットは、この作業を1回で完了させることができます。

パレットは発明当初、倉庫内で活躍しました。
フォークリフトを使えば、荷物をパレットごと高い位置に保管することができ、倉庫内のスペースを有効利用することができるからです。

その後、輸送のたびにトラックやコンテナから積み下ろしをしていた作業が非効率的であることから、パレットごと荷物を輸送するパレット輸送が始まりました。

< パレットの形・大きさ・材質 >

一般的なパレットは1.1m×1.1mの正方形で、厚みは15cmほどです。正確には「平パレット」といいます。

パレットの垂直面(厚みの部分)は空洞になっていて、ここにフォークリフトのフォーク部分を差し込んで持ち上げることができます。

パレットの材質は、かつては木製が主流でした。現在は、より硬くて軽量、かつ壊れにくいプラスチック製が普及しています。一般的なプラスチック製パレットには約1tの荷物を載せることができます。

パレットの種類

パレットには平パレット以外にも種類があります。

ボックスパレット
「ボックスパレット」は、主に金属の網でつくった箱型のパレットで、荷物をなかに入れて運びます。

ロールボックスパレット
底面に車輪がついていてパレットのまわりを柵で囲ったパレットのことを「ロールボックスパレット」といい、底面は板状になっていて、4つの側面を主に金属でつくった柵で囲っています。ロールボックスパレットの下部には車輪がついているので、人が押して移動させることができます。

タンクパレット
液体を運ぶための「タンクパレット」もあります。液体を入れるタンクの周囲を金属製のパイプで囲って保護しています。

< 役立つシーン >

パレット輸送が活躍するのは、冒頭の小麦粉の袋のように、同じ形状のものを大量に輸送するときです。

また、荷物に触れずに移動できる点も、パレット輸送のメリットです。
何回も人の手で積んだり下ろしたりすると、荷物の梱包や包装にダメージを与える可能性があります。パレットの場合、荷物を載せたあとに全体をストレッチフィルム(荷崩れ防止用の梱包ラップ)で巻いて固定し、パレットだけを持ち上げて運ぶため、配達先まで荷物に触れずにすみます。

そのため、手に持って運ぶと一部に強い力が加わって故障や破損のリスクがあるような荷物にも、パレット輸送が向いています。

< パレットはレンタルして使うと便利 >

パレット輸送で問題となるのが、配達先で荷物を下ろしたあとのパレットの処理です。運送業者にパレットを引き取ってもらうこともできますが、追加サービスになるため、出荷人や運送会社と事前に取り決めをする必要があります。

配達先で荷下しをして空になったパレットは、配達先で処分するか、出荷人や運送業者に戻すという作業が発生します。

この問題を解決するのが、パレットのレンタルです。
レンタル会社は、出荷人などにパレットを貸し出し、荷物を下ろし終えたらパレットを回収します。レンタル会社がパレットを管理すれば、荷物を下ろした場所の近くでパレットを使う出荷人を探すことができます。こうすることで、空のパレットを移動させる機会を減らすことができます。

パレット輸送のネック

パレット輸送のネック

万能にみえるパレットですが、欠点もあります。

< フォークリフトがないと移動ができない >

パレット輸送のネックになるのは、フォークリフトが必要になることです。
たとえば、配達先が街中の店の場合、フォークリフトを持っていることはないでしょう。その場合、人の手でパレットから荷物を下ろさなければなりません。

< 使用後のパレットの処理 >

パレットは1.1m角と大きく、重量も30kgほどあるものが一般的なので、荷物を載せていないときのパレットは、場所を取るだけの資材になってしまいます。

またプラスチック製のパレットは1tの重さに耐えられる特殊なものが多く、簡単には解体できません。そもそも、パレットは繰り返し使えることもあり、廃棄してしまうことは環境にも悪影響です。廃棄する場合にも費用が発生するため、先に紹介したようなレンタルを利用することがよいでしょう。

< 荷物の保護 >

パレット輸送で使うラップは、十分強度が高いものを使っていますが、それでもまわりの荷物との接触や突起物などで破れてしまうことがあります。木箱での梱包や鉄の箱に入れて運ぶよりは、弱い保護になってしまいます。

ネックを解決する専用パネルを使用した、共同輸配送サービス

JITパレットチャーター便はパレット積みされた状態のお荷物を専用のパネルで覆い、そのまま配達先へお届けする共同輸配送サービスです。

荷物を安全に運びたい!

お荷物を覆う専用パネルの大きさは、幅107㎜×奥行107㎜×高さ90㎜(内寸)で最大積載量は350kgです。

専用のパネルで覆った状態で輸送・配達しますので、お荷物の破損を防ぎ、本来は段積みに適さない商品(コネクタ部品・精密機器など)や傷・凹みを避けたい商品(農産品・調味料など)の輸送で活用されています! 

使用後のパレットも回収できます!


お荷物を覆うパネルは配達したらその場で回収します。

また、オプションを付けることで、パレットからお荷物を下すデパレタイズや使用したパレットを集荷先に返送することも可能です。

ロールボックスパレット型の専用ボックスを使った、共同輸配送サービス

JITBOXチャーター便は、ロールボックスパレット型のボックスを利用した共同輸配送サービスです。

< JITBOXチャーター便のサイズ感 >

JITBOXチャーター便で使っているボックス(ロールボックスパレット)の大きさは、幅104cm×奥行き104cm×高さ170cm(内寸)で、最大積載量は500kgです。

たとえば幅31cm×奥行き41cm×高さ29.5cmのダンボールなら約40個積むことができ、コピー機なら丸々1台が、1本のボックスのなかに入る大きさです。

< 必ず回収するので処理に困らない >

JITBOXチャーター便は、配達先で荷物を下ろしたら、その場で回収します。配達先に空のボックスを置いていくことはありません。

ただし、配達先でボックスのなかの荷物を下ろす必要があります。輸送時の荷姿で長期間保管することはできません。

まとめ

パレットとパレット輸送は、世界の輸送を変えました。どの工場に行っても、どの倉庫をみてもパレットは必ずといっていいほど活用されており、パレットがなかったら、今ほど効率的に物を運ぶことはできなかったでしょう。

しかし輸送量が増え、荷物の種類が増えると、パレットでも不便に感じることが出てきました。

そのなかで生まれたのが、JITパレットチャーター便とJITBOXチャーター便です。お客様の送りたい荷物の量によって選択することができ、お客様に新しい選択肢を増やします。

現状の輸送に課題がありましたら、ぜひ一度JITパレットチャーター便・JITBOXチャーター便をお試しください。