検品とは|検品作業の種類や課題、効率化について解説
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最近はネット通販が当たり前の時代ですが、利用した際に商品が自宅に届いたら、まず汚れや傷がないか確かめると思います。
この商品の状態を確かめる作業のことを企業においては「検品」と呼びます。この記事では検品作業の種類や効率化に向けた取り組み方について紹介していきます。
検品とは
検品を一言で表すと、商品が発注を受けた際の想定通りの状態で出荷できているか、もしくは想定通りの状態で届いているか検査することです。新品の商品を30個注文したのであれば、商品に傷や汚れが無く、30個丁度の数が届いていなければなりません。なお、品質に問題が無いかチェックすることを「検質」と言い、数量が正しいかチェックすることを「検数」と言います。また検品後に商品を受け取ることを「検収」と言います。
< 検品作業 >
検品作業のタイミングは主に2回、商品を出荷する際の「出荷検品」と入荷する際の「入荷検品」があります。
作業項目 | 内容 |
---|---|
出荷検品 | 発注のあった商品を出荷する際の作業の一つです。倉庫から商品をピッキングした後、商品番号や個数が出荷指示書(ピッキングリスト)と合致しているか、汚損や破損がないかを調べます。 参考:出荷とは|物流業界における定義、発送や配送との意味の違い |
入荷検品 | 発注した商品を入荷する際の作業の一つです。届いた商品が注文書や納品書の商品番号・個数と一致しているか、汚損や破損など初期不良がないかをチェックします。 |
検品作業の重要性と課題
< 検品の重要性 >
検品作業は出荷時にも入荷時にも行うべき重要な作業です。
仮に検品作業を行わず商品を入庫し、注文した内容と違う商品が届いていることに気付けなかった場合、実際の在庫と在庫管理表の内容に差が出てしまいます。これにより注文を受けた後、ピッキングの段階で欠品が発覚し、納品が遅延する可能性があります。
また、汚損や破損などの不良品を除く事で、出荷側に代替品などの補償を請求することもできますし、お客様に不良品が届く事を未然に防ぐことができます。
< 検品作業の課題 >
検品作業を怠ることは百害あって一利なしであるものの、高い検品精度を保ち続けるうえでいくつかの課題も存在します。
①ヒューマンエラーの発生
人の手で行う以上、ミスをゼロにすることは非常に難しいと言えるでしょう。
例えば見た目が似ている商品や差が分かりづらい商品番号の見間違いなどは、目検で行う際に起きてしまいがちなミスのうちの一つです。倉庫の構造や商品に精通していない新人作業員のミスを最初から防ぐのは難しいですし、ベテラン作業員であっても集中力や疲労度によっては十分起こり得ます。
②人的コストの増加やリソースの不足
ヒューマンエラーを防ぐためには、二人一組でのダブルチェック体制づくりやチェックシートなどの活用が有効ですが、その分どうしても時間がかかってしまい、人的コストが増加する可能性が高いです。
また近年は倉庫業においても人手不足が取り沙汰されています。理由にはネット通販の拡大や多品種小ロットの一般化による業務量の増加や、作業負荷が大きいため高齢者や女性の雇用が難しい問題などがありますが、人的リソースが確保できなければ十分な検品体制の構築ができないかもしれません。
効率化に向けた取り組み
人的ミスの軽減やコストの削減など、検品作業の効率化に向けた取り組み例をここでは3つ紹介します。
①WMSなどのシステム利用による在庫管理のデジタル化
出荷時、入荷時のいずれにおいても、従来は目視で出荷指示書や注文書を確認し検品を行っていました。しかし近年ではITの活用により、ハンディスキャナー(バーコードを読み取る手持ちサイズのデータ収集端末)を利用して検品を行う、また読み取った情報をWMS(倉庫管理システム)に記録するという企業が増えています。これにより、商品番号などの見間違いや、在庫管理表への入力ミスなどのヒューマンエラーを削減することができ、作業時間の短縮にも繋がるでしょう。
ただし、システム導入コストや導入後のマニュアル作成、作業者への研修などに相応の時間がかかるため、具体的なコストシミュレーションを行ったうえで検討する必要があります。
参考:WMSとは|TMSとの違いや物流システム導入のメリットと留意点について
②アウトソーシングの利用
作業体制の構築や見直し、作業員不足時の募集、入れ替わり時の研修など、人的コストおよびリソースの確保は企業にとって非常に負荷の大きい業務です。これらの業務を、3PLやフルフィルメントサービスを活用することにより、アウトソーシングする方法もあります。専門企業のノウハウやリソースを利用することができるため、安定的で高品質な検品体制を構築することができるでしょう。
しかしながら、倉庫の規模によってはコストが嵩む可能性もあり、システム導入と同様に事前の運用シミュレーションを十分に行うことが大切と言えます。
③輸送品質の向上
入荷検品にかかる時間を減らすためには、輸送時の商品の口割れや破損を防ぐことも有効です。口割れや破損の数が少なければ、スムーズに検品作業を終えることができます。
<安心安全な輸送にはJITBOXチャーター便がオススメ>
JITBOXチャーター便とは、キャスター付きの鉄製ボックス(内寸:幅104cm×奥行き104cm×高さ170cm)単位の輸送サービスです。
集荷後はボックスの扉を閉じ、ボックス内に触れることなく配達先までお届けします。これにより荷物の口割れや破損を最小限に抑えることができます。
また、オプションにはボックスを覆うカバーなどもあり、活用することで商品外装の汚濡損を防ぐことも可能です。
まとめ
今回は検品作業について解説しました。検品ミスの削減は企業にとって重要な課題です。
そこで作業効率化に向けた取り組みとして、WMSなどのシステムの導入、アウトソーシングの活用、輸送品質の向上を例に挙げました。自社での検品ミスの原因の特定や、それぞれの取り組みにおける注意点も踏まえつつ、効率化に向けて取り組んでいきましょう。