物流センターとは？倉庫との違いも解説

物流センターとは、物流業務を効率的かつ迅速に行うために設置された施設のことです。商品の入荷から出荷までの一連の業務を担います。

具体的には、入荷・保管・ピッキング・流通加工・検品・梱包・出荷など多岐にわたる業務が含まれます。この物流業務を円滑かつ迅速に行うために、物流センターは重要な役割を果たしています。

また、最近では自動倉庫やロボットによる自動化技術が導入されている物流センターも増えており、より高度かつ迅速な物流業務を実現するための施設として注目されています。物流どの機能も荷物が流通する過程に欠かせないものです。

＜ 物流センターと倉庫の違い ＞

物流センターと倉庫の違いは、対応できる業務の範囲です。

倉庫は、商品の保管を主な目的としています。荷物が出入りする頻度が少ないため、出入口も少ないのが特徴です。保管を主軸としているため、温度や湿度調整など、保管に適した環境が整っています。

一方、物流センターは保管に加え、入荷から出荷までの一連の業務を担います。倉庫と違い、ピッキングや流通加工、検品、梱包、出荷まで幅広い業務に対応可能です。また、荷物の入庫・入荷、出庫・出荷の回数が倉庫よりも多いため、出入口が多いのが特徴です。

以上のように、物流センターと倉庫は対応できる業務内容に違いがあります。

物流センターの種類と特徴

物流センターは、物流業務にかかわる一連の作業に対応できます。さらに対応できる業務や立地によって9つに分類できます。

＜ 物流センターの役割による分類 ＞

物流センターは、役割によって7つのタイプに分類されます。

以上のように、ひとことに物流センターといえど、さまざまな役割を持つ物流センターがあります。

続いては、立地による分類を紹介いたします。

＜ 立地による分類 ＞

物流センターは、立地によって以下の2つのタイプに分類されます。

生産立地型は、生産地の近くに位置する物流センターです。生産場所と出荷と保管を担う物流センターが近いため、配送コストを削減できます。アパレルや部材関連の利用に向いています。

一方、消費立地型は、販売先や消費者の近くに位置する物流センターです。販売数が多い商品や、配送リードタイムに制限がある商品を扱う際に向いています。日持ちしない生鮮食品を取り扱う場合や、ECなどで翌日配達を実現するような場合に使用されます。

自社の事業の特徴や取り扱う荷物に合わせて選定しましょう。

物流センターの業務の流れ

物流センターは、荷物の保管だけでなく入荷、保管、ピッキング、流通加工、検品、梱包、出荷などの業務をおこないます。

ここでは、具体的な物流センターの業務の流れを詳しく見ていきましょう。

＜ 入荷 ＞

入荷とは、仕入先や工場から送られてきた荷物を受け入れる業務です。伝票をもとに荷物の個数に相違がないか、破損や汚れがないかをチェックします。荷物に問題がある場合は、在庫に加えずに仕入れ先に確認を行います。

＜ 保管 ＞

保管とは、入荷してから出荷するまで商品を預かることです。保管している商品の数量や品質が損なわれないようにします。
保管は、生産されてから消費されるまでの時間の差を解消する役割があります。数値の正確性を保つためにSKU（色、サイズなどまで細分化された最小の単位）管理したり、品質を保つために適切な温度や湿度をおこなったりします。

＜ ピッキング ＞

ピッキングとは、指示書をもとに保管場所から荷物を取り出す作業（ピッキング）です。指定された商品を選び出します。アパレルであれば、SKUごとに、正確に商品を取り出します。

＜ 流通加工 ＞

流通加工とは、荷物の価値を高めるための加工全般のことです。生鮮食品の加工や小分け包装、値札付けなど、その商品の価値を高める業務を指します。

＜ 流通加工 ＞

検品とは荷物の数量や品質、性能を検査する作業です。荷物の入荷の際や、出荷前に商品に問題がないか検品することでトラブルを防ぎます。

＜ 梱包 ＞

梱包とは、輸送中の荷物への傷を防ぐためにダンボールなどの緩衝剤で包装することです。荷物の特徴や温度に合わせた資材を使って包装し、破損や劣化から防ぎます。

＜ 出荷 ＞

出荷とは、荷物を送る作業です。出荷前には、荷物の数量や状態、送り先のチェックをおこない誤りがないようにします。また、荷物をトラックに積み込む際には、荷崩れや傷をつけない配慮が必要です。

物流センター業務を外注するメリットとデメリット

物流センターの業務は、自社で運営する以外に外注するという選択もあります。ここでは、物流センターを外注するメリットとデメリットをご紹介いたします。

「物流にかかる人件費を抑えたい」「スピーディーに事業を展開したい」方は、物流センターの外注を検討するのがおすすめです。物流センターへ問い合わせをする前には、メリットとデメリットを理解しておくと相談しやすいです。詳しい説明を見ていきましょう。

＜ 物流センターを外注するメリット ＞

物流センターを外注するメリットは、経営資源といわれる「人・モノ・カネ・情報」の削減ができることです。具体的には以下の3つのメリットがあります。

＜ 初期費用と時間を抑えられる ＞

• コストを削減できる
• 業務を効率化できる

物流センターの業務を外注すると、初期費用が大幅に抑えられます。物流センターを自社で運営する場合、倉庫の設立やシステムの構築に多くの初期費用が必要になるためです。さらに、設備に加えて必要となるのが人材です。人材を育てて物流センターの運営を軌道に乗せるまでには、多くの時間がかかります。外注できれば初期費用や時間の削減が実現できるでしょう。

加えて、コストの削減にもつながります。物流センターの運営費用を変動費として処理できるためです。例えば、人件費や倉庫の運営費用は、本来であれば固定費として処理されます。しかし、固定費を変動費に変えられることで、利益の増加につながります。

また、物流業務の外注化によってできた時間を使って、本業に注力できるようになります。人員配置を最適化可能です。

＜ 物流センターを外注するデメリット ＞

物流センターを利用するデメリットは以下のとおりです。

• 情報漏洩の可能性がある
• 自社のノウハウが蓄積されにくい

物流センターの業務を外注すると、顧客情報を委託先に知らせる必要があるため情報漏洩のリスクが発生します。委託を依頼する前には、物流センターの機密情報の管理体制を確認しておきましょう。顧客情報や個人情報が漏れてしまうと、企業としての信頼問題にかかわります。

また、物流センターを外注すると、自社にノウハウが蓄積されにくくなります。物流センターに委託する際は、担当者と定例会を開くなどして業務状況の把握や、情報共有をしておくことが大切です。

物流センターでかかる費用

物流センターでは、毎月一定の費用がかかる「固定費」と、商品の出荷などの作業ごとにかかる「変動費」を合計した費用がかかります。倉庫を選定する際には、固定費だけでなく、変動費を加味した合計の費用で比較することが重要です。費用の相場を見ていきましょう。

詳細は以下のとおりです。

引用：物流倉庫の費用相場はいくら？｜【最新版】エリアごとの倉庫保管料・費用の仕組み・内訳も解説！（比較ビズ）

固定費は、毎月の料金に変動がなく一定した金額です。倉庫保管料に適用されている坪単価とは、建設年数や立地によって相場が異なります。固定費は、物流センターを利用するうえでの基本料金です。一方、変動費は荷物の動きと連動します。入庫料や検品は、取り扱う手間に応じて費用が変動します。作業工程や手間が増えるごとに料金が上がっていくシステムです。

＜ 物流センターの選び方 ＞

物流センターを選ぶ際は、以下の点に注目しましょう。

• 立地条件と交通アクセス
• 施設設備と保安対策
• 物量に合わせた柔軟な対応の可否

立地条件と交通アクセスを見る
物流センターを選ぶ際には、立地条件と交通アクセスが重要です。コストとリードタイムのどちらを重視するかによって、立地を選びます。例えば、生鮮食品などの日持ちしない品物であれば、届け先に近い物流センターが必要です。依頼したい荷物の特徴や商流に合った場所にある物流センターを選ぶのがおすすめです。

施設設備と保安対策を見学する
物流センターの施設設備と保安対策の状況を確認するために、現地に見学に行きましょう。見学にいくことで設備の状態や保安対策の状況が明確になります。インターネットや資料で確認できる情報もありますが、実際に見学することでしか気付けないこともあるでしょう。荷物をトラブルなく動かすためには、現場の状況を直接確認しておくことが重要です。

物量に合わせて柔軟な対応ができる
繁閑期に応じた在庫量に柔軟に対応できる物流センターを選定しましょう。本来固定費であるはずの倉庫保管料を、準固定費として最適化するためです。不要なコストをかけないために、物量に合わせた対応をしてくれる物流センターを選びましょう。どこまで対応してくれるかは、さまざまなケースを想定して、物流センターに問い合わせをするとよいです。

まとめ

物流センターは荷物の入荷から出荷にかかわるすべての業務を担います。
物流センターを選ぶ際は、どのような役割が必要なのか明確にすることや適切な立地を選ぶことがポイントです。

また物流業務は重要な役割を担いますが、通販事業者にとってはコストとなります。
自社に合った物流センターを選びましょう。

もし中ロットのお荷物をお取り扱いでしたら、JITBOXチャーター便がおすすめです。

中ロットのお荷物を全国各地にお届けできる輸送サービス「JITBOXチャーター便」は、メーカー・倉庫の発送から、卸売業者・小売店への配達まで、様々なシーンで活躍しています。

JITBOXチャーター便とは？

• 幅104cm×奥行き104cm×高さ170cm（内寸）の鉄製のキャスター付きボックスに、最大500kgまで荷物を入れて輸送できるサービスです。
• 集荷時に荷物を入れたあと、輸送中に運送会社がボックスを開けることはありません。配達先まで集荷時のままの状態で荷物を運べるのが特徴です。
• 車両一台を貸し切るほどではない大きさ・個数の荷物であれば、JITBOXチャーター便を利用することでコスト削減も実現できます。

詳しくは商品概要ページをご確認ください。