ロジスティクスとは-分かりやすく簡単に解説!「物流」、「ソリューション」との違い、ロジスティクス4.0が分かります!
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ロジスティクスとは物流管理や戦略的物流を指します。ロジスティクスで管理されている物流は、「輸送、保管、荷役、包装、流通加工、輸送情報」それぞれの工程で構成されています。物流全体の流れをより効率的に、合理的に行うため、各工程のモノの流れを戦略的に構築し管理していくことがロジスティクスです。物流の上流、組織で言うと戦略的に部下を管理する管理職のようなものでしょう。また、よく物流施設を○○ロジと呼ぶことがあるかと思いますが、「ロジスティクス」を略して「ロジ」と言っています。ロジと呼ばれる物流施設では総合的な物流サービスを提供しています。
ロジスティクスとは 意味を分かりやすく解説
ロジスティクスは、物流管理や戦略的物流を指します。
辞書的な意味をみると、
ロジスティクスとは、物流の一連の流れを最適化し、さまざまな工程を一元化して管理すること。わかりやすくいうと、製品の保管から輸送、包装、流通加工などの流れを企業が一括で管理して、素早く届けたり、製品が消費者に届くまでの流れに無駄がでないようにしたりするという意味である。
英語の【logistics】から来ており、もともとの意味は兵站学(へいたんがく)です。兵站学とは、軍事用語のひとつで、戦争などでの部隊の移動などを計画・立案する活動を指します。部隊をただ移動させるだけではなく、移動に伴う物資の補給や、拠点や施設の整備、隊の構築、兵員の衛生管理など多岐にわたり、隊をどのように動かすかという総合的な判断を行う必要があります。この考え方が商業やビジネスに転用されたことで、現在のロジスティクスの意味に繋がっています。物流に限らず、企業経営など広い活動に対しても重要な位置づけをされるようになりました。
ロジスティクスの考え方には、5つのRと呼ばれるものがあります。
例えば何かの商品を製造して、販売する事業があったとします。
まずは材料を調達するところから始まり、材料はいつ、どの仕入先から、どのように輸送して調達するか、製造した商品をいつ、どの販売方法で、どのように輸送して流通させるかを総合的に考える必要があります。多くの手段の中から、様々なリスク、社会的情勢、持続可能な安定供給を考慮し、モノの流れと5つのRを最適化するための方法を選んでいきます。特に重要度の高い物流に注目し戦略を立てていくことが多いです。
ロジスティクスと物流
「物流」とは、大きな枠組みで考えるとサプライチェーンの工程の一部となります。モノの輸送のことですが、大きく6つの要素で構成されています。
輸送、保管、荷役、包装、流通加工、近年は輸送情報が加わるようになりました。6つの工程(要素)で構成され多くの経済活動の土台となっています。
ロジスティクスは、物流を管理することなので、輸送、保管、荷役、包装、流通加工、輸送情報、それぞれの工程の最適化を図ります。
ロジスティクスの仕組み
ここでは物流のそれぞれの工程でどのような最適化を行う必要があるのか見ていきましょう。
〈輸送〉
輸送運賃、輸送のリードタイム(所要日数)、重量、サイズ、品物の種類などが輸送方法を選択する際の要素や検討内容です。いくら安価な運賃で輸送できても、必要な時に届かない、安全に送れないなどリスクがある場合は、別の輸送方法を検討するでしょう。必ずこの方法が良い、という輸送方法は残念ながら存在しません。自社の商品特性、顧客の要望などを総合的に考慮し、よりベストな輸送方法を選択していくことが、輸送の最適化と言えます。
〈保管〉
保管は、物流施設の中でも倉庫や物流センターで行われる工程です。商品を顧客や消費者に安定的に供給するために重要であり、時間的な課題を解決することができます。保管を行うことにより、商品の大量生産が可能になり、生産性が上がりました。保管の最適化はモノを生産してから消費するまでの時間調整、販売機会損失や在庫切れ防止が適切に行えていることが保管の最適化と言えます。
〈荷役〉
積み下ろし、運搬、積み付け、取り出し、仕分け、荷揃えを行い、輸送や保管などの作業が行える状態にするための工程です。倉庫への入庫や出庫、ピッキングなども含まれます。荷物の運搬活動は常にどこかで発生する作業であり、荷役の最適化は、正確性と効率だと言えます。荷役が正確に効率的に行えないと、荷物が届かない、荷物かそろわない、定刻に輸送できないという状況になります。トラック等の積載効率にも大きく関わる部分です。多岐にわたる煩雑な繰り返しの作業をいかに正確に効率的に行い、生産性を高め、品質を守っていくかが重要となります。
〈包装〉
荷物を輸送や保管に適した形に包むことで、破損を防ぎ、品質を保ったまま輸送します。包装は重量、サイズ品物の種類などが大きく関わります。また昨今の環境保護の観点から、厳重に包装すればよいというものでもなくなってきており、過剰な包装コスト増加にもつながります。包装は大量かつ繰り返し作業ですが、細やかな対応が必要となるため、どのように効率化するかも重要になります。包装する荷物の状態に対し、品質を保てる範囲でより簡易な包装を行う事、作業方法や資材を工夫し、効率的な包装が行える事が包装の最適化と言えます。
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〈流通加工〉
商品や荷物の出荷時の付加価値を高めるための作業です。具体的には、特殊な検品、タグ付け、ラベル張り、袋や箱詰めなどです。出荷時に同時に行うことで顧客の負担を減らした形で納品することが可能です。作業者の作業効率は維持しつつ、顧客の要望に応える流通加工を行うことが最適化と言えます。
〈輸送情報〉
現在はITの促進により、様々な情報を収集し可視化できるようになりました。顧客に対して、タイムリーな輸送情報を提供できるようになり、顧客が自ら輸送情報を調べられる環境が整いました。また、過去の発送履歴の活用、送り状のデジタル化により発送の簡略化が進んでいます。また、情報から輸送ルートを最適化などの物流DXもこれから技術が発展していくでしょう。
それぞれを最適化する全体的な目的としては、「販売機会損失や在庫切れ防止」、「輸送の効率化」、「在庫の削減」、「コスト・経費削減」などが挙げられます。
ロジスティクスとソリューション
ロジスティクスと一緒に使われることが多い用語を紹介します。
ソリューション【solution】
日本語では「解決」や「解答」と訳され、ビジネス用語としては「業務上の問題や課題を解決するための方法」という意味合いで用いられます。例えば「最適なソリューションを提供します」といった使い方をします。
スリーピエル、3PL【3rd Party Logistics】
荷物を送る側の企業でも受け取る側の企業でもない、第三者(本来は荷物に関係の無い企業)が関与する物流のことを指します。物流戦略・システムの企画に注力しているため、最善かつ効率的な物流戦略を提案し、実行するコンサルティング業務を得意としています。合わせて様々な物流施設を有しており、総合的にサービスを提供している場合もあります。
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ロジスティクスの重要性
現代の物流業界には様々な課題があります。
物流の合理化を図るロジスティクスは、その課題を解決する手段の一つとも言えます。その為、多くの企業がロジスティクスを重要視しています。
< 現在の課題 >
- 物流コストの上昇
- 労働力不足(2022年問題)
- デジタル化、物流DX
- 物流構造改革の推進
- サプライチェーン全体の最適化
- モーダルシフト、カーボンニュートラル(低炭素化)
< ロジスティクス4.0 >
現在のロジスティクスは4.0に位置付けられ、「AI、IoTによる省人化」と言われています。
内容 | |
ロジスティクス1.0 | 〈輸送の機械化〉 第一次産業革命(18世紀後半~)で工場などでの生産が拡大していくにつれて原材料の調達、製品の都市間の輸送などが必要となっていきました。人力や馬力での輸送から、蒸気機関を活用した輸送に発展していき、長距離の輸送が可能となりました。 |
ロジスティクス2.0 | 〈荷役の機械化〉 フォークリフトやパレットの導入により、手作業で行われていた積み込み、荷降ろし、運搬、仕分けなどの作業の機械化が進みました。その結果、荷役の作業時間の短縮、重労働の削減に成功しました。輸送量や取扱量の増加にも荷役の機械化が寄与しています。 |
ロジスティクス3.0 | 〈物流管理のシステム化〉 台帳など手作業で管理されていた情報が1980年頃から徐々にシステム化されていきます。大きく寄与したのがWMS(倉庫管理システム・物流センター管理システム)です。WMSにより、入出庫管理、在庫管理、棚卸管理、精算管理が可能となり、モバイル端末やハンディターミナルも合わせて活用されるようになりました。 WMSとは|TMSとの違いや物流システム導入のメリットと留意点について |
ロジスティクス4.0 | 〈AI・IoTによる省人化〉 様々な物流工程でロボット、AI技術、IoTを活用した業務の見直しが進んでいます。これにより、人員削減、ミスの防止、作業効率の向上が物流作業全体の生産性を高めているのです。24時間365日、動き続けている物流現場が大きな転換期を迎えています。 |
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