フルフィルメントとは-意味やサービス内容、メリット・デメリットを簡単に分かりやすく説明します！
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フルフィルメントとは、インターネットのネットワークを介して取引を行うECや、電話・郵便を介した取引の通信販売などにおいて、受注した商品が顧客の手元に届くまでの一連の流れの中で発生する業務全般を指します。具体的には、「受注、問合せ対応（コールセンター・メールなど）、決済、商品管理、在庫管理、物流、顧客サポート（アフターフォロー、返品・交換対応など）」があります。最も有名なのが、Amazonのサービスの一つである、フルフィルメント by Amazon（FBA）ではないでしょうか。今回は、フルフィルメントと深い関わりのある、EC市場の動向も踏まえ、フルフィルメントについて簡単に分かりやすく説明します。
フルフィルメントとは何か・意味を解説
フルフィルメントとは、EC（インターネットでの取引）や、通信販売（電話・郵便での取引、通販、TVショッピング、DM、カタログ販売など）などで、受注した商品が顧客の手元に届くまでの一連の流れのことを指します。
辞書的な意味を見てみると、
フルフィルメント【fulfillment】
・実現、遂行
・商品の受注から決済に至るまでの業務全般のこと。梱包・発送業務や入金管理、在庫管理、物流管理、顧客管理などを含む。
元々、実現、遂行といった意味を持つフルフィルメントですが、商品の受注から決済に至るまでの業務全般、という意味が良く使われています。
意味を見ると、商品やモノを届けるのだから、物流（輸送、保管、荷役、包装、流通加工、輸送情報）と変わらないのでは？と思われるかもしれません。しかし、フルフィルメントの工程は、物流の要素の他に、受注・問合せ対応（コールセンター・メールなど）、決済、顧客サポート（アフターフォロー、返品・交換対応など）等の、「決済」や「お客様対応」も含まれています。フルフィルメントには、物流領域に加え、顧客に関わる業務のサポートやフォローが含まれていることが分かります。フルフィルメントの業務をサービスとして提供し、フルフィルメントの機能を保持している施設をフルフィルメントセンターと呼びます。
導入のメリット・デメリット
＜ メリット ＞
〈業務の効率化〉
フルフィルメントの業務は、繰り返しの単純作業が多いイメージを持たれがちですが、実際は、内容が煩雑であり、多岐にわたります。顧客が求める対応を丁寧かつ迅速に行う必要がある一方で、自社ですべてを対応しようとすると、多くの時間と人員、費用がかかります。フルフィルメント業務を、経験やノウハウが蓄積されている外部のプロに任せる事により、安定・安心のオペレーションを利用できる事で、業務の効率化を図ることができます。
〈マーケティング業務、企業活動の中で利益に直接つながる業務へ注力できる〉
「市場調査をして顧客のニーズを探り掘り下げ分析する」、「調査・分析から商品企画・開発を行う」、「新商品や開発商品を知ってもらうためのプロモーションを行う」など、マーケティング戦略は、商品が自然に売れるための仕組みづくりの最重要項目です。マーケティング業務は、フルフィルメント業務から外れており、自社で行うことになります。フルフィルメント業務をプロに任せる事で、マーケティング業務に注力できる時間と人員が捻出できます。
〈バックヤードの一括管理が可能〉
バックヤード業務とは、直接の顧客との関りは少ないが、商品管理やサイト管理などを行う業務、具体的には、商品の登録・管理、受注管理、物流、決済、顧客サポート（アフターフォロー、返品・交換対応など）です。まさにフルフィルメント業務は、バックヤード業務にあたります。近年、WMS（倉庫管理システム）などのシステム化が進んでいますが、まだまだ人力で行っている部分も少なくはありません。業務の関連度が高いため、一括で管理することにより、一連の業務を迅速にスムーズに、高いクオリティで顧客対応が可能になります。
〈顧客満足度の向上〉
顧客満足度を高める事は、特に既存顧客の増加に繋がります。顧客の商品購入までの流れの中で、購入までの導線やサイトの使いやすさ、商品説明の分かりやすさ、注文のしやすさ、口コミ比較、手元に届くまでの顧客フォローなど様々なタイミングでその企業やサービスの良し悪しを判断しています。フルフィルメントの一括管理は、一連の業務の中での顧客の要望に応えやすい環境が整っていると言えます。
〈JITBOXチャーター便 利用のポイント〉
上記に加え、JITBOXチャーター便はフルフィルメント業者にもメリットがあります。本来であれば、複数箇所から納品があれば、その分のトラックの荷受けが必要になります。JITBOXチャーター便を利用すれば、複数箇所からの納品も、各ボックスが１台のトラックに乗り合わせて納品されます。納品時間を指定すれば、1回で納品を終えることができるため、輸送効率の向上、CO2削減、荷待ちの軽減につながります。
＜ デメリット ＞
〈フルフィルメントのサービス利用費用がかかる〉
外部に委託することを検討する際、最も気になるのが費用の部分でしょう。サービス利用には費用がかかりますが、実際に、自社で倉庫やコールセンターを設置すると初期費用や設備費など、一度に大きな費用がかかってしまいます。また個別に契約をしていき、管理していく手間も発生します。まずは、物流のみ、コールセンターのみ、など自社で対応しにくい部分から導入を検討してみると良いかもしれません。
〈自社で顧客の声やニーズが収集しにくい〉
フルフィルメントの外部委託は、顧客管理やコールセンター業務などの顧客対応まで含まれます。その為、最も商品に近い顧客のニーズや声が把握しにくくなります。顧客ニーズを把握する方法は他にもあるので、顧客アンケートや口コミ、利用事例などで顧客の声を把握していく必要があります。
〈バックヤードスタッフの育成がしにくい〉
バックヤード業務のノウハウは、莫大な作業と経験によって蓄積されていきます。自社のスタッフがバックヤード業務に関わる機会が減ることで、業務を把握する人材が育ちにくいという面もあります。
フルフィルメントの業務
では、フルフィルメントの業務を細かく見てみましょう。
| 業務 | 内容 |
|---|---|
| 入荷作業 | 届いた荷物や商品を倉庫に運搬する業務。 同時に受け取った荷物の納品書や納品書控え、受領書等の確認とやり取りを行います。 |
| 入荷検品・棚入れ | 届いた荷物や商品の個数や品質を確認する業務。 注文書や納品書に記載がある内容と合っているか（商品名、商品番号、個数、納期など）、商品の汚損や破損などの品質を確認します。 入荷検品が終わると、保管をするために倉庫内の棚に移動させます。 |
| 保管 | 倉庫内の棚に移動させた荷物や商品は、一定期間保管されます。 倉庫では効率的に保管を行うためにロケーション管理を行い、保管の効率を高めます。 |
| 商品管理・在庫管理 | 販売動向や仕入れの動向を把握しながら、荷物や商品の種類、個数の最適化を行います。販売機会損失や在庫切れを防ぎつつ適正在庫を保っていきます。 |
| 受注処理 （決済処理・代金回収） |
顧客から注文を受けて、商品の状況や在庫、顧客の情報、決済状況を確認し、売り上げを計上します。 |
| 出荷作業・出荷検品 | 保管している荷物・商品の中から、出荷指示のあったものを集めるピッキング、それらを安全に輸送するための状態にする梱包、倉庫から送り出すまでが出荷作業です。合わせて、送り出す荷物や商品の個数や品質を確認する出荷検品を行います。 |
| 配送 | 倉庫から送り出した、荷物・商品を顧客の元に送り届けます。 |
| クレーム処理 | 顧客からのご意見や言い分を伺い、適切な対応を行います。 |
| 返品対応 | 顧客が返品を希望した場合に、適切な対応を行います。 |
| コールセンター業務 （問い合わせ対応） |
顧客からの質問対応や、ご意見への対応を電話にて行います。Webの問い合わせフォームやメールからの問い合わせ対応も行います。 |
＜ ECとフルフィルメント ＞
ECとは、日本語では電子商取引を意味します。英語の【Electronic Commerce】から来ており、【Electronic】は電子的な、【Commerce】は商業、商取引を意味します。
現在は、インターネットのネットワークを介して、注文を受注し、商品やサービスを提供する取引全般を指します。「Eコマーズ」も同じ意味を持ちます。ECはBtoB-EC（企業間取引）、Amazonなどのモール型が多いBtoC-EC（企業・店舗と消費者間取引）、メルカリなどのCtoC-ECに分類されます。
経済産業省の調査結果（電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました）によると、フルフィルメントと深い関わりのあるEC市場は年々拡大しています。
令和3年の日本国内のBtoC-EC（消費者向け電子商取引）市場規模は、20.7兆円となっており、対前年比は7.35%の増加です。どのくらいの取引がECで行われているかを示すEC化率は、BtoC-ECで8.78%、BtoB-ECで35.6%となっており、BtoB市場の取引の3件に１件が、インターネット上の取引となっています。決済方法の電子化も進み、ますます商取引の電子化が進んでいきます。
＜ フルフィルメントと似た言葉 ＞
〈ロジスティックス logistics〉
ロジスティクスは、「輸送、保管、荷役、包装、流通加工、輸送情報」から構成される物流の管理や、戦略的物流を指します。物流の要素を最適化し、「販売機会損失や在庫切れ防止」、「輸送の効率化」、「在庫の削減」、「コスト・経費削減」などを目的に行います。
物流業界で昨今課題とされている、物流コストの上昇、労働力不足（2024年問題）、デジタル化、物流DXなどを解決する方法として重要な取り組みと位置付けられています。
〈3PL スリーピーエル 3rd Party Logistics〉
3PLは、【3rd Party Logistics】を指し、直訳すると「第三者物流」となります。荷物に直接関係のない企業、荷物を送る側の企業でも受け取る側の企業でもない第三者が関わって行う物流の事です。
3PLでは、6つの要素から構成される物流の管理、戦略やコンサル部分も含めて第三者企業に委託します。
〈物流アウトソーシング〉
自社で物流機能を持たず、外部の専門業者に外注することを指します。上記で説明した、3PLやフルフィルメントセンター、物流センターなどを利用することも物流アウトソーシングです。外部のプロに一括で委託するため、費用は掛かりますが、自社では実現が難しい高いクオリティで物流機能を維持することが可能です。
フルフィルメントは、商品の受注から決済に至るまでの業務全般を指しますが、今回紹介した似た言葉は、フルフィルメントの中でも「物流」部分に特に深く関わっていることが分かります。
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まずは、お気軽ににお問い合わせ下さい。
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お客様の声：食品・飲料メーカー様
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