仕分けのコツ-仕分けとは?早く、ミスなく、仕分け作業を行うポイントを紹介!
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仕分けとは、種類・サイズ・重量・用途・宛先など、「あらかじめ決められた基準」に沿って、品物・商品・荷物などを分類していく作業です。その作業を「仕分け作業」と呼びます。荷物をAからBに輸送する物流現場では、複数回、必ず行う重要な作業です。仕分け作業自体は、単純作業、繰り返し作業のように思われがちですが、実は、コツが必要な職人技です。作業量が多いためミスを起こしてしまう、思った以上に時間がかかってしまうなどの経験がある方も多いのではないでしょうか。
また、同じ読み方で簿記で用いられる「仕訳」という用語もあり、意味の違いが良くわからず、混乱を招くこともあるかと思います。今回は物流現場の仕分けのコツだけでなく、仕分け・仕分け作業の意味、仕訳との違い、シーン別の仕分け作業など「しわけ」を徹底解説します!
仕分けとは、仕分けの意味
「しわけ」という単語には、大きく分けて2つの意味があります。
単語 | 利用シーン | 英語 | 意味 |
---|---|---|---|
仕分け | 物流現場 | ・sorting ・classification |
・ 物事を区別すること ・品物などを種類・用途・宛先などに応じて分類すること。区分すること。 |
仕訳 | 簿記 | ・journalizing | (仕訳)簿記で、取引の勘定科目と金額を決定し、借方と貸方に分析すること。 |
「仕分け」と「仕訳」は読み方が同じであるため、似たような意味かと思いがちですが、利用シーンと意味が大きくが異なります。それぞれの単語については、後ほど詳しく解説していきます。
【物流】「仕分け」と「仕分け作業」
まずは、一つ目の仕分けについて解説します。
仕分けとは、物流現場で行われている作業の一つで、その作業を仕分け作業と呼びます。
具体的には、以下のような場所で仕分け作業が発生します。
- 集荷した荷物、配達する荷物が集まる物流拠点
- 荷物を保管する物流倉庫
- 様々な物流機能を併せ持つ物流センター
- メーカーや卸売業者の配送センターなど
荷物や商品が集まる場所では、次工程のために「分ける作業」が必要となるのです。
仕分け作業では、種類・サイズ・重量・用途・宛先など、「あらかじめ決められた基準」に沿って、品物・商品・荷物などを分類していきます。
仕分け作業の手段について見ていきましょう。大きく分けて2つの方法があります。
名称 | 説明・メリット・デメリット | 方法 |
手仕分け | 人力・手作業による仕分け 〈メリット〉 ・大きさ、重さ、品名(割れ物、液物など)、荷姿(パレット、木枠梱包など)に依存しない、自由度が高い 〈デメリット〉 ・作業時間と労力がかかる |
・手作業、台車 ・フォークリフト |
自動仕分け | 自動仕分け機械を用いて、機械的に行う仕分け 〈メリット〉 ・手仕分けに比べ、圧倒的に作業効率が高い 〈デメリット〉 ・自動仕分け機で仕分けできる基準に沿ったものしか仕分けができない |
・自動仕分け機 (ベルトコンベヤ・ソーターなど) |
基本的には、仕分け機を用いて自動仕分けをすることが多く、効率的に仕分け作業を行っています。しかし、デメリットにもあるように、自動仕分けできるかの基準は、大きさ、重さ、品名(割れ物、液物など)、荷姿(パレット、木枠梱包かどうかなど)、様々な基準で決められているため、その基準から外れ、自動仕分け機に流せないものは手仕分けを行っています。小口の荷物が多い、宅配便などでは、自動仕分けが主流ですが、様々な荷物を扱う路線便や混載便では、手仕分けを行う場面が多く見られます。
< 物流の中でも重要な仕分け作業 >
物流とは、商品や荷物が生産者から消費者のもとに届けられる流れのことです。物流は、輸送、保管、荷役、包装、流通加工、近年は輸送情報の6つの工程で構成されています。
物流はA地点からB地点への荷物の輸送を基軸としていますが、仕分け作業は、この「B地点」に正しく荷物が届けられるためのトラックや保管場所へと荷物を振り分ける作業です。
輸送では、正確な仕分け作業ができていないと、伝票(送り状)上のBに届けたいにも関わらず、CやDなどに届いてしまいます。つまり、本来届けたい場所へと荷物を届けることができなくなってしまうのです。また、保管では、間違った保管場所へ振り分けてしまうと、必要な時に荷物が無い、在庫が合わないなどのトラブルの原因になりかねません。
ただ分類すると思いがちですが、円滑な物流を実現できるのは、正確な仕分け作業があってこそだということが理解できるでしょう。
< 仕分けロボット、仕分け機械 >
物流現場で活躍している仕分け機械をいくつか紹介します。
〈コンベヤ〉
コンベヤは、自動で荷物を移動させる機械で、荷物を移動させながら仕分けを行うことを可能とします。物流現場では、荷物が集まる場所と、仕分けを行う場所は離れていることが多く、コンベヤを用いて、搬送と仕分け作業を同時に行います。
〈ソーター〉
コンベヤと一緒に用いられます。ソーターはコンベヤの搬送経路上に、複数の分岐点を設置し、センサーなどでサイズや、バーコード情報などを読み取ります。読み取られた情報は、種類・サイズ・重量・用途・宛先など、「あらかじめ決められた基準」に沿って、荷物が分類されていきます。ベルトコンベヤの終点は、いくつかの場所に分かれており、基準に沿って同じような荷物が集まってくるので、作業員はその荷物をトラックに積み込んだり、保管場所に移動させたりすれば、仕分けが完了します。
その他にも、無人搬送車(AGV)や自律走行搬送ロボット(AMR)を用いて仕分け作業や運搬作業を自動化することもできます。
【簿記】「仕訳」と「仕分け」
仕訳は簿記で用いられる用語です。金や物の出入りのことを取引といい、その取引の流れを記録するために行うのが簿記です。簿記では、勘定科目を「借方」、「貸方」に分けて記載します。勘定科目とは、取引の内容を分かりやすく記載するために分類された5つの項目のことです。その一連の作業を仕訳と言い、一言でいうと「取引の要素を借方と貸方に分類し、帳簿や仕訳帳に記載すること」となります。
あらかじめ決められた基準・ルールに沿って分類していくこと、は同じ点だと言えますが、何を分類するのかという点が判断できれば、違いが理解できるでしょう。
シーン別の仕分け作業
具体的な仕分け作業の内容をイメージしやすいように、シーン別にどんな仕分け作業が行われているか、紹介していきます。
< 物流センター・配送センターでの仕分け作業 >
スーパーなどの店舗向けに商品や製品を配送する配送センターでは、広域物流センター、配送センターで仕分け作業が行われています。
【例】日用品・主に常温食品(スーパー、コンビニエンスストア、小売店舗など)
① 加工食品、菓子、飲料、などの食品、消耗品雑貨などの日用品を製造している各メーカーから広域物流センター(DC:在庫型物流センター)へ大量一括納品が行われます。この納品は、大型トラックでパレット単位の納品が行われることが多く、そのまま倉庫や物流センターで保管されることが一般的です。
② その後、保管されている商品の中から、必要な商品をピッキング、梱包等の作業を行い、配送センターのエリアごとに仕分けされ、各配送センターへと納品されます。配送センター(TC:通過型物流センター)では、さらに店舗のエリアごとに仕分け作業が行われます。
③ 配送センターから各店舗に商品が納品されます。
< 物流拠点での仕分け作業 >
荷物をA地点からB地点へ輸送する物流拠点では、荷物の集荷後、配達前に主に仕分け作業が行われています。
荷物を仕分けする仕分けエリアは、荷量に応じてトラックの配置が決められていることが多く、行先が不規則に並んでいることが一般的です。
【例】路線便、混載便、宅急便(小口、個人向け)の荷物
① お客様から荷物を集荷し、集まった荷物を行先ごとに仕分け作業をしていきます。仕分けした荷物は、長距離トラックに積み付けしますが、荷量、方面によってトラックが不規則に並んでいるため、仕分け作業を行うにはコツが必要です。
② 集荷店で仕分けされた荷物は、長距離トラックで各方面別に輸送されます。長距離トラックが到着する拠点では、さらに細かい配達エリアごとに分類するため、もう一度仕分け作業が行われます。
③ 配達店から商品が配達されます。
仕分け作業のコツ~早く正確な仕分け作業のポイント~
〈早く効率的に仕分けをするポイント〉
1.仕分けルールを理解する
仕分け作業には、荷物のサイズ、重さ、形状、宛先など、予め決められた基準を理解し、覚える事で、判断するスピードが上がり、仕分け作業自体のスピード向上に繋がります。
・どのような荷物であれば、自動仕分け機で仕分けができるのか
・どのような順番で仕分け作業を行うと段取りが良いか など
2.後工程を理解する
具体的には、仕分けのルールや配置を覚えるなどです。
例えば、先ほどの物流拠点の仕分け作業を例にすると、長距離トラックの行先ごとに荷物を仕分けし、積みつけるという後工程を理解することで、その前の工程から工夫し、仕分け作業をスピードアップさせることができます。
・仕分け作業を行った後、その荷物を積みつける長距離トラックはどのような順番で配置されているか
・各長距離トラックの物量はどうか(関東行きは多いなど)
・仕分け作業のエリアの広さ(どのくらいの距離を移動させるのかなど)
3.トラックやカゴ車などへの積み込み方を工夫する(前工程を理解する)
同時に前工程を理解することで、集荷作業の時点から荷物の積み方を工夫することができます。集荷トラックの積み方を工夫することで、その後の積みおろし、仕分け作業が連動され、スピードアップに繋げることができます。
・長距離トラックの配置に合わせてあらかじめ荷物をまとめられないか
・各長距離トラックの物量はどうか(A行きはとC行きは一緒に運搬できる)など
〈正確に仕分けをするポイント〉
1.品物名と個数、行先を必ず確認する
仕分け作業に集中すると、送り状(伝票)や品物名と個数、行先などの情報の確認をおろそかにしがちです。集荷時には、お客様から同じ荷物条件のもの(同じ品物で同じ個数、行先だけが違うなど)が集まりやすいと言えます。思い込みでの作業は、残荷やテレコ、荷割れなど、最もミスが起こりやすい場面だと言えます。必ず確認作業を行いましょう。
2.配置を把握する
こちらは、早く仕分けするコツでも紹介しましたが、正確に仕分けするコツでも当てはまります。起こりやすいミスとしては、仕分け作業の際、隣の分類の中に荷物が混在してしまうというものです。どのような配置で、仕分け作業後にどのくらいの量の荷物が集まってくるのか把握することは、正確に仕分け作業を行うことに繋がります。
3.荷物の特性を把握する
商品や荷物に触れている、仕分け作業時は、手を滑らして荷物を落としてしまう、フォークリフトで荷物を傷つける等、汚損、破損が起こりやすい工程だと言えます。慣れてくると思いこみや作業のムラが発生しがちなので、丁寧な作業が必要です。丁寧な作業を行うことで、不要なトラブルや、作業を中断させるなどの防止になります。
仕分けの関連用語を紹介
〈ピッキング〉
メーカーや卸売業者などが保管・管理している商品の出荷時に行われる作業の一つです。具体的には、顧客の出荷指示に沿って、倉庫内に保管されている商品の中から必要なものを必要な数、集めてくる作業です。
仕分け作業とピッキングは、倉庫や物流センターなど同じ場所で行われますが、大きな違いは、商品・荷物を分類するか、集めてくるかという点です。
〈梱包〉
梱包とは荷物を輸送に適した形に包む行為、またはその状態です。輸送中に、中の商品が汚損や破損しないようにすることが主な目的です。
〈マテハン〉
マテハンとはマテリアルハンドリング【Material Handling】の略称で、商品や製品などを効率的に運搬管理することです。主に、移動距離、動作、配置の面からモノの最適化を行います。この最適化を行うために使用する機器がマテハン機器です。仕分け機械で紹介したソーターなどもマテハン機器のひとつです。
配送センターでもJITBOXチャーター便が活躍しています!
ITBOXチャーター便は、キャスター付きの鉄製ボックス(内寸104cm×104cm×170cm、最大積載重量500kg)にお客様の荷物を積み込み、集荷先から配達先までそのままお届けする輸送サービスです。
輸送ネットワークに強みを持ち、全国発送が可能です。(※一部離島を除く)
標準配達時間は9時~18時の間で、3時間以上の時間指定は標準サービスとなります。(※一部時間指定不可地域があります)
お客様の声:食品配送センター様
配達先の店舗が輸送品質に厳しく、ダンボール箱の少しのしわで荷受拒否となってしまうため、JITBOXに変えることで、品質を担保できる輸送が可能となりました。
お客様の声:日用品配送センター様
荷量が少ないときや突発的な案件、納品時間が厳しいなどのときに、JITBOXチャーター便を利用しています。リードタイムと輸送品質を維持したまま輸送コストが削減できました。