物流とは-機能や関連用語をわかりやすく解説します!
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どこかに荷物を送る、注文した商品が手元に届く、日常生活、または企業活動を行う上で、当たり前に行われている行為は物流の上に成り立っています。物流は、字のごとく「モノの流れ」のことで、具体的には、生産者から消費者に至るまでの全てのモノの流れを指します。生産者から消費者に至るまでに、物流の様々な機能のおかげでスムーズかつ安定的な消費活動が行えます。今回は、物流の機能や関連用語をわかりやすく解説していきます。
物流とは
物流とは字のごとく、モノ(商品や荷物)の流れのことを指します。
まずは、辞書の意味を確認していきましょう。
生産者から消費者に至るまでの商品の流れ。取引による商的流通に対して、物品の存在場所の移動としての流通をいう。物的流通。
引用:物流の意味
< 物流と流通 >
物流とはモノの流れと言いましたが、生産者から消費者に至るまでの全ての工程の中で、流れていくのは商品や荷物だけではありません。取引や金銭、情報など、同時に様々な要素が流れていきます。これらの要素を総括した流れを流通と言います。流通の重要性は、生産者から消費者に商品や荷物、サービスをスムーズに届ける仕組みであるということです。また、流通では様々なステークホルダー(生産者、卸売業者、小売・販売店、消費者など)が関わって流れを作っています。
物流は、流通の中の特にモノの流れに注目した考え方です。物流の他に、所有権の流れに注目した「商流」、お金の流れに注目した「金流」、情報の流れに注目した「情報流」の要素があります。
< 物流とロジスティクスの違い >
ロジスティクスは、物流管理や戦略的物流を指します。物流は「流れ」を指すにに対し、ロジスティクスはその流れを管理したり、戦略的に構築したりすることを指します。物流を管理する、物流の上位の考え方のことです。
ロジスティクスについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
ロジスティクスとは-分かりやすく簡単に解説!「物流」、「ソリューション」との違い、ロジスティクス4.0が分かります!
物流の機能
物流は大きく分けて6つの機能を有しています。
1.輸送
輸送は、A地点からB地点に荷物を移動させる機能です。最もイメージしやすい物流の機能の一つでしょう。輸送手段を輸送モードと言い、主に4つの方法があります。
①トラック輸送
トラック(営業用貨物車)を用いて荷物を移動させる輸送手段です。メリットは、長距離からラストワンマイルまで柔軟に対応した輸送が可能なこと、デメリットは人手がかかること、CO2排出量が多いことです。
②鉄道輸送
鉄道輸送は地域ごとの機関車が荷物を積んだ鉄道コンテナを移動させる輸送手段です。メリットは、CO2排出量が少ない環境に優しい輸送手段であること(トラックの約10分の1のCO2排出量)、一度に大量な荷物の輸送が可能なこと、デメリットは、天候や災害に弱いこと、輸送ルートや運行ダイヤがあらかじめ決められており柔軟性が低いことです。
③船舶輸送
船舶輸送は、RORO船(ローローせん)、コンテナ船、長距離フェリーなどを用いて荷物を積んだコンテナやトラックを移動させる手段です。メリット・デメリットは、鉄道輸送と同様で、環境に優しいモーダルシフトの輸送モードとして注目されています。
④航空輸送
航空輸送は、航空機を用いて荷物を移動させる輸送手段で、早さ・確実性を求められるときに利用されることが多いと言えます。メリットは、輸送スピードが速い、また輸送中の荷物の安全性も高く、小口にも対応していること、デメリットは、大量輸送が難しく、コストがかかることです。
利用シーンによって輸送モードを使い分けるなどして、最適な手段で荷物を輸送しています。
2.保管
保管は、商品や荷物を引き受け、管理することで、物流施設の中でも特に倉庫や物流センターで行われています。保管の最も重要な機能は、顧客や消費者への供給を安定化させることです。
〈倉庫での保管〉
倉庫は、モノや商品などを保管・格納・貯蔵するための施設です。
倉庫には大きく分けて、①自家倉庫(自家用倉庫)、②営業倉庫の2種類に分けられます。
①自家倉庫は、倉庫の持ち主が自身の所有物(商品など)を保管するものです。小さなものだと、自宅の倉庫から企業が所有する倉庫などが当てはまります。
②営業倉庫は、倉庫の持ち主が保管業務をサービスとして提供しており、顧客(依頼主)から商品などの保管を委託されるものです。特に営業倉庫は、国土交通大臣の登録が必要となり、登録して初めて、倉庫業としての営業を行うことができます。
・営業倉庫の種類(倉庫業法より)
〈物流センターでの保管〉
物流センターは保管に特化した倉庫とは異なり、入荷、保管、ピッキング、流通加工、検品、梱包、出荷などの一連の業務を行います。
物流センターについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
物流センターとは?役割や種類について徹底解説
3.荷役
荷物や商品の輸送を行う、倉庫などで保管を行う際に付帯する作業全般が荷役(にやく)です。積み下ろし、運搬、積み付け、取り出し、仕分け、荷揃えなどが荷役作業です。荷役作業を正確にスムーズに行うことで、効率的な輸送、保管を行うことができるため重要な作業の一つです。荷役は荷役機械を用いて行うことが多く、クレーン、コンベヤ、フォークリフトなどが主要な荷役機械です。
荷役についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
荷役とは-読み方や意味、荷役作業の内容や機械をシーン別に紹介します
4.梱包・包装
梱包とは、輸送するモノや商品を梱包資材や緩衝材で包み、守ることです。輸送を行うには、たくさんの荷物をトラックなどに積み込みます。梱包を行うことで、この輸送に商品が耐えられる状態にします。一方で包装は、輸送に限らない広い意味を持ち、商品を梱包資材や緩衝材で包み、守ることです。商品のパッケージやプレゼントの包み紙なども包装に含まれます。
梱包・包装についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
梱包とは-包装との違いや梱包の種類を解説
5.流通加工
商品などに更なる価値を付ける事で、差別化を図ることです。これにより、商品自体の評価や価値、お客様が感じる満足度を高めることが可能です。流通加工は、非常に範囲が広く、これが流通加工の種類だというものが明確ではありません。なぜならお客様のニーズに合った対応を行っているからです。例えば、事前に検品を行い不良品のチェックをしておく、梱包時に必要書類や案内を同封する、事前に分類わけする(種類、サイズなど)、値札シールなどを貼り付けるなど様々な作業があります。流通加工は、物流センターでも行われており、入庫から出庫までの工程に流通加工を組み込み、付加価値を与えた状態で荷物や商品をお届けすることが可能です。
6.輸送情報
近年重要視されているのが輸送情報です。物流の過程における情報にはさまざまな種類があり、近年IT化によりその範囲は日々拡大しています。輸送情報は、システム等を用いて荷物や商品の情報を正確に把握し、管理することを指します。具体的には、輸送中の位置情報の管理やトレーサビリティ、WMSのような倉庫管理システムなどが挙げられます。
物流の関連用語
〈EC物流〉
ECとは、日本語では電子商取引を意味し、インターネットのネットワークを介して、注文を受注し、商品やサービスを提供する取引全般に関わる物流をEC物流と言います。BtoCの取引が多く、荷物は小口で、配送先が細かく量が多いことが特徴です。EC物流の作業は、主に物流センターなどで行われます。様々な商品が保管されている棚から商品をピッキング、検品を行い、梱包して発送され、消費者に届けられるという流れが一般的です。
〈ホワイト物流〉
ホワイト物流は、国土交通省が主体となって行っているトラック輸送の生産性向上や物流の効率化を目的に取り組んでいる活動です。背景には深刻な人手不足や2024年問題等があります。
ホワイト物流についてはこちらの記事で詳しく説明しています。
ホワイト物流とは|推進運動の賛同メリットや取り組み事例を紹介
〈グリーン物流〉
物流の一連の流れの中で、二酸化炭素(CO2)を削減する取り組みの活動です。環境への負荷が少ない鉄道や船舶などの輸送方法に切り替えるモーダルシフトや、トラックの積載効率を高める共同配送などが挙げられます。
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