ビジネスにおける展示会を開催する意味と目的・目標

展示会の目的と役割は、製品やサービスの実物を展示し、ブランド認知やイメージ向上を目指すだけに留まりません。
展示会に訪れた顧客との接点を通じて、新規顧客獲得や既存顧客との関係強化を図り、マーケット調査や競合調査などの情報収集を行います。
展示会が行われる業界は多岐にわたるため、すべての産業で実施されているといっても過言ではありません。
展示会の主催者はイベントごとに異なり、おもに関連企業あるいは関連団体によって開催されています。

＜展示会が実施されているおもな業界＞

• 産業機械、産業機器
• 計測機器、分析機器、検査機器、試験機器
• 電気／電子技術、通信技術、半導体技術
• 自動車、輸送用機器
• 航空、宇宙機器
• 環境、エネルギー
• 食品、飲料、厨房関連
• 建設
• 不動産
• 化学、医薬品
• 金融、保険
• 医療、介護
• アパレル
• 旅行、レジャー　など

展示会の種類について

開催形態や来場客層によって、展示会にはいくつかの種類があります。ここでは、代表的な4種類の展示会を解説します。

合同展示会

合同展示会とは、特定のテーマに沿って複数の業界や企業が出展する展示会のことで、おもにBtoBで開催されています。

テーマによっては異なる業種の企業が集まり、いずれの企業も共通のテーマに沿って自社製品・サービスのアピールを目的として行います。

異業種企業の製品が1つの会場に展示されるため、比較的規模が大きく、幅広い視点からの情報交換や販売促進が図られています。

（例）アパレル展示会、フード・ケータリングショー　など

トレードショー（産業見本市）

トレードショーとは、特定業種向けのデモンストレーションや展示、商談などを目的に、ビジネス関係者を対象とする展示会です。

おもに業界団体や企業が主催し、製品やサービスを展示・販売する場として活用されています。特定の業界や市場に特化した展示会のため、参加者は関連する企業や専門家、購買担当者などが中心となります。多くの場合、来場には招待状や案内状が必要です。

（例）健康産業博覧会、ジュエリーフェア、住宅設備EXPO　など

パブリックショー

パブリックショーとは、一般消費者を対象としたBtoCの公開展示会やショーイベントのことです。

来場者に製品・サービスを販売する場としても活用され、フリーマーケットやコミックマーケットのようなイベントもパブリックショーに該当します。製品やサービスのデモンストレーション、エンターテインメント、芸術、スポーツなど、幅広い分野で開催されています。

（例）東京モーターショー、東京ゲームショウ、ホビーショー、スポーツEXPO、住宅展示　など

プライベートショー

プライベートショーとは、招待客のみを対象とする非公開の展示会のことです。

単独企業またはグループ企業によって開催され、特定の顧客や関係者に向けて、新製品やサービスのプロモーション、商談などが行われます。複数企業が参加する他の展示会とは異なり、主催者の意向でイベントを進行させられるため独自性が強く、顧客とのコミュニケーションが重視される傾向があります。

（例）海外車のPRイベント、複数事業を運営するグループ企業の製品展示イベント　など

展示会への出展参加をするメリット

展示会への出展参加をすると、顧客と近い距離で自社製品やサービスのプロモーションを行えます。ここからは、企業が展示会へ参加するメリットについて見ていきましょう。

新商品やサービスの紹介

展示会には、会場の規模に応じて数千人から数万人の来場者が訪れるため、新製品やサービスを宣伝することで効果的な販促活動ができます。
業界関係者や特定のテーマに興味を持つ多くの顧客に直接アピールでき、自社や自社製品に関心を持ってもらうチャンスとなるでしょう。ブランド認知度の拡大にもつながります。

顧客との交流

展示会では顧客と直接対話でき、相手の反応を見ながらの交流が可能です。
製品についての質問やフィードバックを受けることで、顧客のニーズや要望を把握し、顧客満足度を向上させられるでしょう。
新製品やサービスだけでなく、社員の人柄や雰囲気まで顧客へ伝わるため、企業のブランディングにもつながります。

他社との交流

展示会は、業界関係者や他の出展者とのコネクションを築く、良い機会になります。
ビジネスパートナーや取引先との関係を強化し、新たなビジネスチャンスを見つけられるでしょう。
BtoB企業の場合、展示会における他社との交流により、リードや新規受注を獲得できる場にもなります。

競合他社の情報収集・調査

展示会には多くの業界関係者が集まるため、競合他社の最新の動向や市場トレンドを把握できます。
市場の変化や競争に対応するために展示会を活用するなら、多くの企業が出展する合同展示会やトレードショーへ足を運び、交流の場を設けるとよいでしょう。

自社ブランドの認知度向上

ブースや展示物を工夫して視覚的なインパクトを与えることで、ブランドイメージを強化し、顧客に認知してもらいやすくなります。
自社ブランドの認知度向上を図る場合、定期開催される展示会に連続出展したり、コマ数を多く確保して目立つようにしたりすることも有効です。

展示会への出展参加をするデメリット

マーケティングにおいて、さまざまなメリットがある展示会ですが、参加には費用や時間といったリソースが割かれることも事実です。
展示会へ参加すると、どのようなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

費用の発生

展示会は、確保するブース（自社エリア）の規模によって出展費用が異なります。
基本料金にブース制作費などを加えて、1コマあたり60万円～90万円が相場です。
安くても50万円以上、ブースを複数確保すると300万円近くかかることもあります。
また、出展期間によっても費用は異なります。展示会に出展しても自社の利益につながらなかった場合、出展費用がそのまま赤字になってしまう点に注意が必要です。

人的リソースを割かれる

展示会に出展する場合、事前準備や当日のPR、商談対応などに自社社員を配置する必要があります。
展示会の準備から当日にかけて、自社業務の人的リソースが圧迫されるため、業務に影響が出ないように対策することが大切です。
業務内容やスケジュールの調整、顧客の引き継ぎなどを行い、業務効率や生産性を低下させないようにしましょう。

競合に自社の分析がされる可能性がある

自分たちが競合の動向を分析できるように、競合他社からも自社のデータや情報が分析される可能性があります。
競争の激しい業界では、競合よりも自社の優位性を高めることが受注につながるため、展示会で自社情報やデータを公表しすぎることは得策とはいえません。
競合に先手を越されたり、成果を模倣されたりしないように、PR内容や公表する資料には細心の注意を払いましょう。

成果の分析が難しい

獲得したリード数や受注数など、数値として確認できるもの以外は成果の分析が難しく、費用対効果が不明瞭になってしまう場合があります。
前述のように、展示会の出展にはさまざまなコストが発生するため、うまく効果測定ができないと次の出展に迷いが生じ、売上のチャンスを逃してしまうケースもあるでしょう。
また、展示会出展後は成果分析以外にも、リード顧客の絞り込みや獲得したクライアントのフォローなど、多くの業務が発生します。
展示会の費用対効果を高めるためにも、出展の目的を明確にし、成功のボーダーラインをあらかじめ設定しておくとよいでしょう。

（例）

• 名刺交換に注力して取引先を○社以上増やす
• 新サービスの知名度を高めてリード顧客を獲得する　など

自社の出展をするための展示会の探し方のコツ

展示会の出展を検討する際、自社に合った展示会をどのように探せばいいのかと悩む方もいるのではないでしょうか。
展示会を探す際は、インターネット検索や展示会のポータルサイトなどのオンラインツールを活用しましょう。
各方法で展示会を探す際のポイントを解説します。

インターネットで検索する

「自社の業界名」と「展示会」を入力して検索すると、過去にどんな展示会が開催されたかや、開催予定の展示会を見つけられる可能性があります。
自社が参入している業界や関連する業種でどのような展示会があるのか、まずは広くリサーチしましょう。
自社のニーズに合った展示会の開催予定があれば主催者へ連絡し、展示会の詳細（どのような属性を対象とした展示会なのか、出展する企業数など）を確認するとよいでしょう。
展示会情報をより詳しくチェックするなら、国内850件、海外1,500件の展示会情報を開催月や都市など目的別の索引で探せる「見本市展示会総合ハンドブック」の活用もおすすめです。
見本市展示会総合ハンドブックは毎年刊行されているため、最新のものを選びましょう。

展示会のポータルサイトを活用する

日本各地で開催されている展示会の情報をまとめているポータルサイトを活用し、展示会情報をチェックしましょう。
展示会のポータルサイトでは、条件の絞り込みやキーワード検索が可能なため、より自社のニーズに合った展示会を見つけられる可能性があります。
独立行政法人日本貿易振興機構JETRO（ジェトロ）が運営する「世界の見本市・展示会情報（J-messe）」では、開催都市や業種、会期による絞り込み、キーワード検索が可能です。このサイトの利用により、世界各国の見本市や展示会を検索でき、国際的なビジネスを目標としている企業にもおすすめです。
出展したい展示会があれば、インターネット検索と同様に、主催者へ連絡しましょう。

展示会に必要な荷物を送る際のポイント

展示会に出展する場合、展示会用の製品や備品を会場へ送る必要があります。
オフィスや倉庫からの発送で済む場合もあれば、現在出展中のイベント会場から、次の出展予定の展示会場へ送りたいなどさまざまなケースがあるでしょう。
イベント終了後には、出展物を撤去して送り返さなければなりません。
ここでは、展示会で必要になるものや、荷物の送り方について解説します。

展示会で必要になる可能性があるもの

展示会に出展する際は、以下のようなものが必要です。

パネルやディスプレイ

自社の看板や商談ブース案内用の看板などがあります。

什器

カタログやパンフレットを省スペースで設置するためのラックやスタンドなどです。机や椅子など、会場によっては最低限の什器をレンタルできる場合もあります。

製品、デモ機、電子機器類

製品や製品のデモ機、プレゼンテーションに必要なプロジェクターやスクリーン、音響機器などがあります。

パンフレット、チラシ、ノベルティ

会場で配布するための配布物です。アンケート回収を行う場合は、想定される来場者数より多めに印刷したアンケート用紙や、筆記用具なども必要になります。

製品や備品の運び方

展示会に必要な製品や備品を会場に運ぶには、宅配便やチャーター便を利用します。配送間違いを防ぐため、送り状には展示会場の所在地だけでなく、以下の情報を正しく記入しまし

1. 到着指定日
2. 展示棟名、ホール名
3. 展示会の名称
4. ブース番号
5. 会社名、担当者名、荷物の情報を把握している担当者の連絡先

宅配便

ダンボールなどに必要なものをまとめ、一つひとつの荷物に伝票を貼って展示会場宛に送る方法です。宅配便の場合、荷物1つあたりにかかる費用は比較的リーズナブルですが、個数が増えるほど費用がかさみます。

また、大きな荷物がサイズオーバーで送れなかったり、一部の荷物が届かない口割れが起こることも考えられます。
特にイベント直前は沢山の荷物が集まるため、運送会社は荷物の仕分け作業に通常よりも時間を要します。
そのため、通常の宅配便よりも早めに荷物を発送いただくようお知らせを出している場合があります。
宅配便を使ってイベント会場に荷物を送る場合は、利用する宅配便会社のお知らせをチェックしておくようにしましょう。

チャーター便

荷物量に適したサイズの車両1台を貸し切って、必要な荷物を一度にまとめて運べる方法です。荷物量が少ない場合は宅配便よりも費用がかさむ傾向がありますが、口割れしない、大型荷物も輸送できる、一度の搬入ですべての荷物がそろうといったメリットがあります。

展示会へ出展する際の輸送ならJITBOXチャーター便がおすすめ

展示会の出展でさまざまな形状の荷物を送るなら、イベント輸送に最適なJITBOXチャーター便をご検討ください。
JITBOXチャーター便は、キャスター付きの鉄製ボックス（内寸104cm×104cm×170cm、最大積載重量500kg）にお客様の荷物を積み込み、集荷先から配達先までそのままお届けする輸送サービスです。
車両単位ではなくボックス単位での輸送となるため、荷物量に応じて輸送コストを削減でき、配送時の荷物紛失や口割れのリスクも減らせます。
※JITBOXチャーター便は法人間輸送専用のため、個人の方はご利用いただけません

イベント輸送の事例はこちら

JITBOXチャーター便のサービス紹介ページはこちら

まとめ

顧客との直接交流や情報収集ができる展示会への出展は、企業のブランド認知やマーケティング拡大に欠かせないイベントです。目的や目標を明確にしたうえで自社のニーズに合った展示会を探し、出展に向けた準備を進めましょう。

展示会出展で荷物の輸送を行う際は、梱包の手間を最小限に抑えて安全に輸送できるJITBOXチャーター便をぜひご利用ください。