集荷とは?サービスの仕組みや意味、企業が集荷サービスを利用するメリットについて解説
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自宅や事務所にいながら荷物の発送ができる集荷サービスは、発送に時間を割けない方にとって有用なサービスです。
しかし、集荷サービスの利用経験がない方は「普通に荷物を発送するのと何が違うの?」「集荷を依頼するメリットは?」と、疑問に感じることもあるでしょう。
ここでは、集荷サービスの仕組みや利用時の流れ、集荷サービスを利用するメリットをわかりやすく解説します。
集荷サービスを提供する配送業者の選び方にもふれているため、集荷サービスの利用を検討している方はぜひ参考にしてください。
集荷の意味とは
集荷とは、荷物の送り主が指定した場所に配送業者のドライバーが訪れ、発送する荷物を預かってくれるサービスのことです。配送業者に集荷をお願いすることを、集荷依頼ともいいます。
集荷サービスを利用すると、配送業者の営業所やコンビニなどに荷物を持ち込まずとも、自宅や事業所から荷物を発送することが可能です。
集荷サービスを利用する際は、集荷に来てもらいたい場所や日時などを指定して配送業者に集荷依頼を出し、集荷時刻までに荷物の梱包を済ませておきましょう。
集荷の依頼方法は配送業者によって異なりますが、インターネットやスマートフォンアプリ、電話から依頼するのが一般的です。
多くの場合、いずれの方法でも集荷サービス自体は無料で利用できます。
また、送る荷物の運賃は発払いか着払いかによって異なります。
発払いの荷物の場合は集荷に来たドライバーに所定の運賃を支払い、着払いの荷物の場合、支払いは不要です。
ただし、法人契約で荷物の集荷と配送を毎月委託するようなケースでは、運賃は後払い制(月払い)となることが多いでしょう。
集荷には2種類のサービスが存在する
集荷には、企業向けサービスと個人向けサービスの2種類が存在します。それぞれどのような特徴があるのか解説します。
企業向け集荷サービス
企業向け集荷サービスとは、配送業者と法人契約を結び、荷物の集荷と配送を委託できるサービスのことです。
例えば、宅配便や路線便といった企業向け集荷サービスでは、集荷のたびに運賃を支払うのではなく1ヵ月分の運賃を任意の方法で支払えます。
そのため、荷物が多い場合でも受け渡しや精算がスムーズです。
集荷のたびに運賃を支払う必要がある個人向け集荷サービスと比べると、より法人に特化したサービスといえるでしょう。
企業向け集荷サービスでは、決められた時間に配送業者が企業を訪れ、出荷準備のできている荷物をすべて集荷してくれるため、企業側は発送の手間がかかりません。
ただし、日本郵便が人員不足から2018年に郵便物の法人向けの集荷を廃止したように、企業向け集荷サービスは配送業社の負担が大きいという側面があります。
そのため、すべての配送業者で対応しているわけではない点に注意しましょう。
企業向け集荷サービスを検討する際は、送りたい荷物と各業者がサービス対象とする荷物形態を、よく確認する必要があります。
個人向け集荷サービス
個人向け集荷サービスとは、おもに一般家庭や、不定期で荷物を発送する店舗などで利用される集荷サービスのことです。
「近くにコンビニや配送業者の営業所がない」「大きなダンボールを運ぶのが困難」といった場合でも、集荷サービスを利用すれば自宅や店舗にいながら荷物の発送が可能です。
個人向け集荷サービスは集荷のたびにその場で運賃を支払うため、荷物の個数が多いと、荷物のサイズ計測や精算に時間がかかることがあります。
個人向け集荷サービスで送る荷物の個数に制限はありませんが、大量の荷物を送りたい場合、トラックに積載できない可能性がある点に注意しましょう。
10個以上など荷物の個数が多い場合は、集荷依頼を出す前に配送業者へ問い合わせておくとスムーズです。
また、宅配便に当てはまらない大型の荷物を送る場合には、大型荷物に対応した配送業者・運送業者を探す必要があります。
宅配便における集荷サービスの仕組みと利用の流れ
企業向けの集荷サービスは路線便、チャーター便、空便、海上便。宅配便などさまざまです。
一方で個人向けの集荷サービスといえば主に宅配便となります。
今回は宅配便を例にして、集荷サービスを利用する際の発送までの流れを説明します。
以下の流れを参考にしながら、発送準備を進めましょう。
ここからは、各ステップでどのような準備が必要なのか解説します。
- 集荷可能な荷物であるかを確認する
- 荷物の梱包を行う
- 集荷の依頼を行う
集荷可能な荷物であるかを確認する
荷物によっては集荷サービスの対象外となる場合もあるため、送りたい荷物が集荷サービスに対応しているかどうか、事前に必ず確認しましょう。
宅配便で送れないものとしては、以下のようなものが挙げられます。
・現金や小切手などの金品
・クレジットカードやキャッシュカードなどのカード類
・パスポートや車検証などの証書類
・再生できない原稿や原図など
・ペット類
・毒物や劇物
・遺骨や位牌
・銃砲刀剣
・発火や引火の可能性があるもの
・一梱包で30万円以上の価値がある高価なもの
・ほかの荷物に損害をおよぼす可能性があるもの
・信書や公序良俗に反するもの
・200サイズ(縦・横・高さの合計が200㎝以内、重さが30kgまで)を超える大型のもの など
荷物の梱包を行う
宅配便で発送できる荷物かどうかを確認したら、荷物の梱包をいます。梱包資材に決まりはありませんが、配送中のダメージを防ぐ必要がある荷物の場合はダンボールを使用しましょう。
また、配送中に荷物が破損することがないよう、緩衝材を使ってダンボール内の隙間を埋めるように梱包します。
重量のある荷物を梱包する際は、ダンボールの底抜けを防止するためにガムテープを「十字」あるいはアルファベットの「H型」に貼り、しっかりと閉じてください。
手もとに送り状や梱包資材がない場合、多くの配送業者ではあらかじめ依頼をしておけば、集荷の際に梱包資材(有料)を持参してくれる場合もあります。
集荷の依頼を行う
宅配便の集荷サービスを利用する際は、配送業者に連絡をして集荷を依頼します。
先述したように、おもな依頼方法として挙げられるのは、インターネット、スマートフォンアプリ、電話の3つです。
集荷を希望する時間帯により、集荷依頼の受付の締め切り時間が異なるため、集荷サービスを利用する場合は、時間に余裕をもって発送準備を進めてください。
なお、集荷可能な時間帯は配送業者により異なります。
配送業者が指定する時間帯を過ぎると、当日集荷や希望する時間帯での集荷ができませんのでご注意ください。
(例)
・当日13:00までに集荷に来てもらいたい場合、当日10:00までに集荷依頼を出す
・当日集荷の最終受付時間が17:00の場合、17:00以降に集荷依頼を出すと翌日以降の対応になる
集荷以外の方法で発送したい場合は、配送業者の営業所などに荷物を持ち込んで発送を依頼します。
企業向け集荷サービスを活用するメリット
ここからは、定期的に荷物の発送を行う事業所などで企業向け集荷サービスを利用すると、具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう
時間とコストの節約
集荷サービスの利用により、企業は荷物の発送準備をしておくだけで良くなり、配送業者の営業所へ荷物を持ち込む手間が省けます。
発送準備のできた荷物は、集荷時間にまとめておけばすべて集荷してもらえるため、荷物の出し忘れも防げるでしょう。
配達状況の追跡
多くの宅配便の集荷サービスでは、荷物の追跡機能が提供されています。
送り状に記載された送り状番号(伝票番号とも言います)を配送業者のホームページで照合すると、会社にいながら荷物の配送状況を確認できます。
これにより、企業は荷物の配送状況を必要に応じてチェックでき、顧客へ情報提供することも可能です。
送り状番号は、集荷時にドライバーから受け取る送り状控えから確認しましょう。
運賃の後払い
配送業者によっては運賃の後払いに対応しており、後日まとめて1ヵ月分の支払いを行うことも可能です。
後払いに対応した集荷サービスを利用すると、支払った運賃を荷物ごとに調べる必要がなくなり、経理処理の負担が軽減されます。
集荷サービス業者の選び方
集荷サービスに対応する配送業者は多く、どのように配送業者を選んだら良いのか迷う方もいるのではないでしょうか。
集荷を依頼する配送業者を選ぶ際は、大切な荷物を顧客のもとへ無事に届けてもらえるように、以下のポイントを確認することが大切です。
信頼性と安全性の確認
集荷サービス業者を選ぶ際は、商品をどのように配送するのか、どのように安全管理(保障)しているのかなど、配送業者の安全性を確認しましょう。
知名度があり国内シェア率の高い大手の配送業者なら、一定の信頼性があると判断できます。
聞いたことがない会社名の配送業者を利用する場合は、配送方法や安全管理のほか、運営実績などを確認しておくと安心です。
価格とサービス内容を比較
配送業社に依頼するときは、送る荷物の量とそれにかかる費用が釣り合っているかを確認しましょう。
オプションサービスなどを利用する際に、想定より高額にならないか確認することも大切です。
集荷や配送に関するサービス内容は配送業者により異なりますが、一般的に以下のようなサービスを有料で利用できます。
・冷蔵での集荷・配達
・冷凍での集荷・配達
・大型品の集荷・配達
・精密機器の集荷・配達
・美術品の集荷・配達
・即日配達や時間指定の集荷・配達
・海外へ送る荷物の集荷・配達 など
ただし、インターネット上には詳細な料金が載っていないことも多いため、配送業者へ見積もりを依頼してみるのがよいでしょう。
取り扱い品目を確認
食品や医薬品などを配送する場合は、温度管理も重要です。
配送業者によっては冷蔵や冷凍の集荷・配達に対応していない場合もあるため、温度管理が必要な荷物は、冷蔵・冷凍配送に対応している業者に依頼するようにしましょう。
このように特別な配慮が必要な荷物の集荷・配達を検討している場合、配送業者の取扱品目を必ず確認し、送りたい荷物の適切な集荷・配達が可能かどうかを確認することが大切です。
サポート体制を確認
配送業者を選ぶときは、トラブルが発生した際にどのような対応となるのか、サポート体制も確認しておきましょう。
トラブル発生時の問い合わせ先や問い合わせ方法、対応窓口の受付時間なども確認しておくことをおすすめします。
Gマークを取得しているか
集荷サービス業者の信頼性や安全性を推し量る基準に「Gマーク」があります。
Gマークとは、「安全性優良事業所」認定制度の認定を受けた事業者に与えられるマークのことです。
この制度は国土交通省によって推進され、公益社団法人全日本トラック協会により認定が行われています。
参考:国土交通省|Gマーク制度(貨物自動車運送事業安全性評価事業)
Gマークの認定を受けている配送業者は、未認定の業者に比べて車両1万台あたりの事故件数が半数以下と少ないことが特徴です。
依頼したい配送業者がGマークの認定を受けているかどうか確認したい場合は、全日本トラック協会のホームページからチェックしましょう。
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※法人間輸送専用のため、個人の方はご利用いただけません。
JITBOXチャーター便の場合、段ボール10箱以上の荷物であれば、宅配便で送るよりもコストを抑えられる可能性があります。
また、ボックス1本につき伝票1枚で発送できるため、荷物ごとに伝票を作成する手間も削減が可能です。
まとめ
配送業者の営業所へ足を運ばずに荷物の発送が可能な集荷サービスは、個人だけでなく、企業にとってもメリットが多い便利なサービスです。
集荷サービスそのものに料金はかからないうえ、法人契約をすることで精算の手間も省けます。荷物の発送業務を行っている企業は、この機会に集荷サービスの利用を検討してみてはいかがでしょうか。
宅配便で送るには大量のお荷物を、コストを抑えて送りたいときは、専用のボックスで一度に複数の段ボールをまとめて輸送できるJITBOXチャーター便をぜひご利用ください。