物流におけるテレコ出荷とは?発生原因やリスク、防止策などをご紹介

3PL・運送業専門用語物流管理

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物流におけるトラブルの1つにテレコ出荷があります。テレコ出荷が発生することで、運送会社にはさまざまなリスクが発生するため、未然に防ぐことが重要です。そのためには、テレコが発生する原因を把握したうえで、適切な防止策を実施しなくてはなりません。本記事では、物流におけるテレコ出荷がどのようなものなのか、発生原因やリスク、防止策などをご紹介します。

テレコ出荷とは

テレコ出荷とは、物流業界において出荷依頼に対して誤った商品を出荷してしまうことです。具体的な例としては、AさんにBさんの商品を、またBさんにAさんの商品を誤って出荷してしまうケースが考えられます。

テレコという言葉は、もともと歌舞伎で「2つの筋書きを1つにまとめ、1幕おきに交互に展開していくこと」を指していましたが、現在では「互い違い」という意味として使われています。物流業界では、「A社とB社の商品をテレコで出荷してしまった」といった用途で、この用語が使われるケースが多いです。

テレコ出荷のおもな発生原因

テレコ出荷が発生するおもな原因は、以下のとおりです。

  • 宛先間違い
  • 伝票の記入ミス
  • 商品数の間違い
  • 出荷内容の違い

以下で、それぞれ内容を確認しておきましょう。

宛先間違い

荷物の宛先ラベルを誤って貼ると、テレコ出荷が発生する可能性が高いです。例えば、AさんにBさんの商品を誤って出荷してしまった場合などが該当します。このようなミスは、会社の信頼を揺るがせ、顧客からのクレームにつながる可能性もあるでしょう。

伝票の記入ミス

納品書や出荷伝票などの文書に記入内容の誤りがあると、テレコ出荷の原因になりえます。例えば、本来の送り先と違う住所を記入してしまった場合などです。正確な内容を伝票に記入することは、出荷ミスを防ぐために欠かせません。

商品数の間違い

出荷する商品の数量が伝票上の数量と差がある場合も、テレコ出荷が発生する可能性が高まります。例えば、伝票上は10個と記載があるにもかかわらず、実際の出荷が11個の場合、1個がほかの荷物に紛れてしまっても、すぐには気づけないでしょう。そのため、正確な数量を確認することが必要です。

出荷内容の違い

発注された商品と実際に出荷された商品が異なることで、テレコ出荷につながる場合もあります。例えば、違う商品を発注してしまった場合などが原因です。適切な商品を出荷するために、注意深く確認しなくてはなりません。

テレコ出荷によって発生する6つのリスク

テレコ出荷が発生することによって、さまざまなリスクにつながります。ここでは、テレコ出荷によって発生するリスクを6つご紹介します。

1.誤った商品や数量の受け取り

テレコ出荷によって、顧客が注文した商品とは異なる商品や、注文した数量と異なる数量の商品が届いてしまうと、以下のような問題が発生します。

注文の満足度の低下

顧客が期待していた商品が届かないことで、顧客満足度が著しく低下します。リピート購入の減少や、口コミによる悪影響を招き、ブランドの評判を損なう原因となりえるでしょう。

再手配の手間

テレコ出荷された商品の返品と正しい商品の再手配には、追加の物流コストと時間がかかります。これにより、企業の運営効率が低下し、顧客への迅速な対応が困難になる可能性があるのは大きなリスクです。

2.在庫管理の混乱

テレコ出荷が頻発すると、顧客の在庫管理にも影響が出ます。

在庫の過不足

テレコ出荷による在庫の誤計算は、販売機会の損失や生産の遅延を引き起こす可能性があります。また、不要な在庫が増えることで、保管スペースの無駄遣いや在庫コストの増加にもつながるでしょう。

棚卸しの複雑化

誤った在庫データに基づく棚卸しは、作業の効率を低下させ、在庫の正確な把握を困難にします。在庫の過剰、または不足による経済的な損失を招く原因にもなります。

3.経済的な損失

テレコ出荷によって、運送会社に経済的な損失をもたらすことがあります。

返品コスト

テレコ出荷された商品の返品には、送料や手数料がかかります。これらのコストは、特に頻繁にテレコ出荷が発生する場合、配送会社の利益を圧迫する要因です。

販売機会の損失

テレコ出荷により、顧客が他のサプライヤーに移行することで、将来の売上が減少するリスクがあります。これは、企業の市場シェアの低下にもつながるでしょう。

4.ブランドイメージの低下

テレコ出荷が繰り返されると、顧客が運送会社の信頼性を疑うようになるのは大きなリスクです。

ネガティブな口コミや評価

誤った出荷による不満がSNSやレビューサイトで拡散されると、ブランドイメージが低下し、新規顧客の獲得が難しくなるでしょう。

顧客離れ

既存顧客が他の運送会社へ流れる可能性があるのもリスクです。繰り返される誤配送によって、顧客が他の信頼できる運送会社を探すきっかけとなり、長期的な顧客関係の損失につながります。

5.法的リスク

テレコ出荷により、特定の契約や規制に違反することがあります。

契約違反

納期や品質に関する契約を守れない場合、企業は法的な責任を問われる可能性が高いです。罰金や訴訟といった追加のコストを発生させるリスクがあります。

規制違反

医薬品や食品など、規制が厳しい商品のテレコ出荷は、法規制に違反する場合もあります。その結果、企業の信頼性を損ない、重大な法的措置を受ける可能性があるでしょう。

6.個人情報の漏洩

テレコ出荷によって誤った商品が誤った顧客に出荷されることで、個人情報が意図せず他者に渡ってしまうことがあるのもリスクです。

プライバシーの侵害

テレコ出荷により、顧客の個人情報が意図せず他者に渡ることで、プライバシーの侵害が発生します。顧客の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が他の顧客に渡ると、プライバシーが侵害されるリスクが高いです。顧客の信頼を失うだけでなく、法的な責任を負う可能性があります。

不安感の増大

個人情報が知られることに対する顧客の不安感が増し、運送会社に対する信頼が損なわれるリスクがあります。個人情報の漏洩は、顧客の不安を増大させ、運送会社への信頼を損なうためです。

悪用の可能性

不正な目的で個人情報が使用される可能性もあります。例えば、詐欺やスパムメールの送信などです。

デジタル化による管理

デジタル技術を活用して出荷プロセスを管理することで、リアルタイムでの在庫追跡と出荷状況の把握が可能になります。例えば、倉庫管理システム(WMS)の導入は、バーコードスキャナーやRFIDタグを使用して商品の正確な位置と数量を追跡し、出荷エラーを削減する効果的な手段です。さらに、WMSは在庫の最適化と出荷作業の自動化を支援し、全体的な効率を向上させます。

現場の意識改革

従業員がテレコ出荷のリスクとその影響を十分に理解することで、正確な作業への意識が高まります。研修プログラムやワークショップを定期的に実施し、品質管理と顧客満足度の向上を目指す企業文化を育成することが重要です。また、正確な作業を行った従業員に対するインセンティブ制度を設けることで、モチベーションの向上とエラーの削減を図れるでしょう。

まとめ

物流におけるテレコ出荷とは、誤った商品を出荷するトラブルです。おもな原因は宛先間違い、伝票の記入ミス、商品数の誤り、出荷内容の違いです。テレコ出荷によるリスクは、顧客満足度の低下、在庫管理の混乱、経済的損失、ブランドイメージの損害、法的問題、個人情報の漏洩があります。防止策として作業手順の標準化、デジタル化による管理、現場の意識改革が重要です。本記事の内容を参考に、正確な出荷を確保し、信頼性を維持するために、防止策を実施してもらえれば何よりです。

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